3 ユーザグループ

概要

ユーザーグループは、組織的な目的とデータへのアクセス許可を割り当てるために、ユーザーをグループ化することができます。
ホストグループのデータを監視するための権限は、個々のユーザーではなく、ユーザーグループに割り当てられます。

あるユーザーグループにはどのような情報を、別のユーザーグループにはどのような情報を提供するかを分けることは、しばしば意味を
持つ場合があります。これは、ユーザーをグループ化し、ホスト・グループに様々な権限を割り当てることで実現できます。

ユーザーはいくつでもグループに所属することができます。

設定

ユーザーグループを設定するには:

  • 管理 → ユーザーグループ*に移動します。
  • ユーザーグループの作成をクリックします。(既存のグループを編集する場合はグループ名をクリックします)
  • フォームでグループ属性を編集します。

ユーザーグループ タブには、グループの一般的な属性が含まれています:

必須入力項目には、赤いアスタリスクが表示されています。

パラメータ 説明
グループ名 一意のグループ名
ユーザー グループにユーザーを追加するには、既存のユーザーの名前を入力します。一致するユーザー名のドロップダウンが表示されたら、下にスクロールして選択します。
または、選択ボタンをクリックして、ポップアップでユーザーを選択することもできます。
Webインタフェースへのアクセス グループのユーザーの認証方法
システム デフォルト - (グローバルに)設定されたデフォルトの認証方法を使用します。
Zabbixデータベース内のユーザー情報 - Zabbix 内部認証を使用します(LDAP認証がグローバルに使用されている場合でも)
HTTP認証がグローバルデフォルトの場合は無視されます。
LDAP - LDAP 認証を使用します (内部認証がグローバルに使用されている場合でも)。
HTTP認証がグローバル デフォルトの場合は無視されます。
無効 - このグループでは Zabbix フロントエンドへのアクセスが禁止されています
有効 ユーザーグループとグループメンバーのステータス
チェックあり - ユーザーグループとユーザーは有効
チェックなし - ユーザーグループとユーザーは無効
デバックモード ユーザーに対してデバッグモードを有効にするには、このチェックボックスをオンにします。

権限タブでは、ホストグループ(およびホスト)データへのユーザーグループのアクセスを指定できます:

ホストグループに対する現在のパーミッションは、権限に表示されます。

ホストグループの現在の権限がすべてのネストされたホストグループに継承される場合、これはホストグループ名の後に(サブグループを含む)をと表示されます。スーパー管理者ユーザーは、ネストされたホストグループに親ホストグループと同じレベルの権限を持たせることができることに注意してください。これは、ホストグループ設定フォームで実行できます。

ホストグループへのアクセスレベルは変更することができます。

  • 表示/設定 - ホストグループへの読み書き可能なアクセス。
  • 表示のみ - ホストグループへの読み取り専用アクセス。
  • 拒否 - ホストグループへのアクセスは拒否されます。
  • なし - 権限は設定されません。

以下の選択フィールドを使用して、ホストグループとそれらへのアクセスレベルを選択します。このフィールドは自動補完なので、ホストグループの名前を入力し始めると、一致するホストグループのドロップダウンが表示されます。 すべてのホスト グループを表示する場合は、選択をクリックします。 ネストされたホスト グループを含める場合は、サブグループを含めるチェックボックスをオンにします。 選択したホスト グループをホスト グループの権限のリストに追加するには、追加をクリックします。

サブグループを含めるチェックボックスをオンにして親ホストグループを追加すると、関連するネストされたすべてのホストグループでそれより前に設定された権限が上書きされ(リストから削除され)ます。 アクセスレベルとしてなしを選択してホストグループを追加すると、ホストグループがすでにリストにある場合は、リストからホストグループが削除されます。

タグフィルタータブでは、タグ名とその値でフィルタリングされた障害を見るために、ユーザーグループにタグベースの権限を設定することができます:

タグフィルターを適用するホストグループを選択するには、選択をクリックして既存のホストグループの完全なリストを取得するか、ホストグループの名前を入力して一致するグループのドロップダウンを選択します。ネストされたホストグループにタグフィルターを適用する場合は、サブグループを含めるチェックボックスをオンにします。

タグフィルターによって、ホストグループへのアクセスと障害を見る可能性を分離することができます。

例えば、データベース管理者がデータベース"MySQL"の障害のみ確認する必要がある場合は、まずデータベース管理者のユーザーグループを作成し、次に"Service"タグ名と"MySQL"値を指定する必要があります。

user_group_tag_filter_2.png

"サービス"タグ名が指定され、値フィールドが空のままである場合、対応するユーザーグループには、タグ名が "Service" である選択されたホストグループに関するすべての障害が表示されます。タグ名と値の両方のフィールドが空のままで、ホストグループが選択されている場合、対応するユーザーグループには、選択されたホストグループのすべての障害が表示されます。タグ名とタグ値が正しく指定されていることを確認してください。そうでなければ、対応するユーザーグループには障害が表示されません。

あるユーザーが複数のユーザーグループのメンバーとして選択されている場合の例を見てみましょう。 この場合のフィルタリングは、タグにOR条件を使用します。

ユーザーグループA ユーザーグループB 両グループのユーザー(メンバー)に表示される結果
タグフィルター
ホストグループ タグ名 タグ値 ホストグループ タグ名 タグ値
Templates/Databases Service MySQL Templates/Databases Service Oracle Service: MySQL及びOracleの障害を表示
Templates/Databases Templates/Databases Service Oracle 全ての障害を表示
not selected Templates/Databases Service Oracle Service:Oracleの障害を表示

フィルター(例えば、特定のホストグループ "テンプレート/データベース" のすべてのタグ)を追加すると、他のホストグループの障害が表示されなくなります。

複数のユーザーグループからのホストアクセス

ユーザーは、任意の数のユーザーグループに所属することができます。これらのグループは、ホストに対する異なるアクセス権限を持つことができます。

したがって、非特権ユーザーが結果的にどのホストにアクセスできるようになるかを知ることは重要です。例えば、ユーザーグループAとBに属するユーザーにとって、(ホストグループ1に属する)ホストX へのアクセスが様々な状況でどのように影響されるかを考えてみましょう。

  • グループAがホストグループ1への表示のみのアクセス権しか持っておらず、グループBがホストグループ1への表示/設定アクセス権を持っている場合、ユーザーは'X'への 表示/設定アクセス権を取得することになります。

Zabbix2.2以降から権限"表示/設定"は権限"表示のみ"より優先されます。

  • 上記と同じシナリオで、'X'が同時にグループAまたはBに拒否されているホストグループ2にも属している場合、ホストグループ1への表示/設定のアクセス権があるにもかかわらず、'X'へのアクセスは不可能となります。
  • グループAに何の権限も定義されておらず、グループBにホストグループ1への表示/設定のアクセス権がある場合、そのユーザーは'X'への表示/設定のアクセス権を得ることができます。
  • グループAがホストグループ1への拒否のアクセス権を持っており、グループBがホストグループ1への表示/設定のアクセス権を持っている場合、そのユーザーは'Xへの拒否のアクセス権を得ます。

その他の詳細

  • ホストへの表示/設定のアクセス権を持つAdminレベルのユーザーは、Templatesグループへのアクセス権を持っていない場合、テンプレートのリンク/リンクの削除することはできません。Templatesグループへの表示のみのアクセス権を持つユーザーは、 ホストへのテンプレートのリンク/アンリンクを解除できますが、テンプレートリスト内のテンプレートは表示されず、他の場所のテンプレートで操作することはできません。
  • ホストへの表示のみアクセス権を持つAdminレベルのユーザーは、メニュー設定のホストリストでホストを見ることはできませんが、 ITサービス設定でホストトリガーにアクセスできます。
  • 特権管理者以外の('guest'を含む)ユーザーは、マップが空であるかイメージのみである限り、ネットワークマップを見ることができます。 ホスト、ホストグループ、トリガーがマップに追加されると権限が優先されます。
  • Zabbixサーバは、アクションの実行内容の送信先に指定されたユーザに対して、該当ホストへのアクセスが明示的に"拒否"されている場合、 通知を送信しません。