1 Red Hat Enterprise Linux

概要

このセクションではRed Hat Enterprise Linux用の公式Zabbixパッケージを使用して、Zabbix6.2.xからZabbix6.4.xへのアップグレードを成功させるために必要な手順を説明します。

アップグレードする前にアップグレード時の注意点を必ずお読みください。

6.4の要件 も確認してください。

アップグレード中に2つのSSHセッションを並行して実行し、1つでアップグレード手順を実行し、もう1つでサーバー/プロキシ ログを監視すると便利な場合があります。 たとえば、2番目のSSHセッションで'tail -f zabbix_server.log'または'tail -f zabbix_proxy.log'を実行すると、最新のログファイルエントリと考えられるエラーがリアルタイムで表示されます。 これは実稼働インスタンスにとって重要になる可能性があります。

アップグレード手順

1 Zabbixプロセスの停止

Zabbixサーバーを停止して、データベースに新しいデータが挿入されていないことを確認します。

# systemctl stop zabbix-server

プロキシもアップグレードする場合は、プロキシも停止します。

# systemctl stop zabbix-proxy
2 既存Zabbixデータベースのバックアップ

これは非常に重要なステップです。データベースのバックアップがあることを確認してください。アップグレード手順が失敗(ディスク容量の不足、電源オフ、予期しない問題)した場合に役立ちます。

3 設定ファイル、PHPファイル、Zabbixバイナリのバックアップ

Zabbixバイナリ、設定ファイル、PHPファイルディレクトリのバックアップコピーを作成します。

設定ファイル:

# mkdir /opt/zabbix-backup/
       # cp /etc/zabbix/zabbix_server.conf /opt/zabbix-backup/
       # cp /etc/httpd/conf.d/zabbix.conf  /opt/zabbix-backup/

PHPファイルとZabbixバイナリ:

# cp -R /usr/share/zabbix/ /opt/zabbix-backup/
       # cp -R /usr/share/zabbix-* /opt/zabbix-backup/
4 リポジトリ構成パッケージ更新

アップグレードを続行する前に、現在のリポジトリパッケージを更新してください。 RHEL9では、次を実行します。

# rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/6.4/rhel/9/x86_64/zabbix-release-6.4-1.el9.noarch.rpm

(古いRHELバージョンの場合は、上記のリンクをZabbixリポジトリの正しいリンクに置き換えてください。)

5 Zabbixコンポーネントのアップグレード

Zabbixコンポーネントをアップグレードするには、次のようなコマンドを実行します。

# dnf upgrade zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-agent

PostgreSQLを使用している場合は、コマンドのmysqlpgsqlに置き換えます。 プロキシをアップグレードする場合は、コマンドのserverproxyに置き換えます。 エージェント2をアップグレードする場合は、コマンドのzabbix-agentzabbix-agent2に置き換えます。

Upgrading Zabbix agent 2 with the dnf install zabbix-agent2 command could lead to an error. 'dnf install zabbix-agent2'コマンドを使用して Zabbixエージェント2をアップグレードすると、エラーが発生する可能性があります。 詳細については既知の問題点を参照してください。

RHEL 8のApacheを使用してWebフロントエンドを正しくアップグレードするには、次のコマンドも実行します。

# dnf install zabbix-apache-conf 
6 コンポーネント構成パラメーターの確認

必ずアップグレード時の注意点を参照して、構成パラメータの変更が必要かどうかを確認してください。

新しいオプションのパラメーターについては、新機能 ページを参照してください。

7 Zabbixプロセスの起動

更新されたZabbixコンポーネントを起動します。

# systemctl start zabbix-server
       # systemctl start zabbix-proxy
       # systemctl start zabbix-agent
       # systemctl start zabbix-agent2
8 Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリア

アップグレード後、ZabbixのWebインターフェースが正しく機能するために、Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリアが必要になる場合があります。

マイナーバージョンアップグレード

6.4.xはマイナーバージョン間の、たとえば6.4.1から6.4.3のアップグレードが可能です。マイナーバージョンアップグレードは簡単です。

Zabbix全体のマイナーバージョンアップグレードをするには、次のコマンドを実行します。

$ sudo dnf upgrade 'zabbix-*'

Zabbixサーバーのマイナーバージョンアップグレードをするには、次のコマンドを実行します。

$ sudo dnf upgrade 'zabbix-server-*'

Zabbixエージェントのマイナーバージョンアップグレードをするには、次のコマンドを実行します。

$ sudo dnf upgrade 'zabbix-agent-*'

また、Zabbixエージェント2の場合は

$ sudo dnf upgrade 'zabbix-agent2-*'