このセクションでは、Red Hat Enterprise Linuxまたはその派生製品(AlmaLinux、CentOS Stream、Oracle Linux、Rocky Linux)用の公式Zabbixパッケージを使用して、Zabbix 6.4.xからZabbix 7.0.xの最新バージョンへアップグレードする手順について説明します。
Zabbix 7.0より前は、RHELおよびRHELベースのディストリビューションに対して単一のインストールパッケージが提供されていました。 7.0以降、バイナリの非互換性による潜在的な問題を回避するために、RHELとその上記の各派生製品には個別のパッケージが使用されます。
アップグレードする前に、関連するアップグレード時の注意点を確認し、システムがZabbix 7.0の要件を満たしていることを確認してください。
アップグレード中に並行してSSHのセッションを実行することを検討してください。一方はアップグレード手順の実行用で、もう一方はサーバー/プロキシのログを監視用です。例えば、tail -f zabbix_server.log
またはtail -f zabbix_proxy.log
を実行すると、最新のログとエラー発生をリアルタイムで把握することができます。これは本番環境のインスタンスにとって重要です。
Zabbix 7.0.xのマイナーバージョン間 (たとえば、7.0.1から7.0.3)へのアップグレード手順については、マイナーバージョン間のアップグレードを参照してください。
Zabbixサーバーを停止して、データベースに新しいデータが挿入されていないことを確認します。
Zabbixプロキシやエージェント、エージェント2もアップグレードする場合は、同様に停止します。
既存のZabbixデータベースをバックアップして、アップグレードの失敗 (ディスク容量の問題、電源喪失、予期せぬ問題など) から保護します。
既存のZabbix設定ファイル、PHP ファイル、およびZabbixバイナリをバックアップします。
設定ファイルの場合は、次を実行します。
mkdir /opt/zabbix-backup/
cp /etc/zabbix/zabbix_server.conf /opt/zabbix-backup/
cp /etc/httpd/conf.d/zabbix.conf /opt/zabbix-backup/
PHPファイルとZabbixバイナリの場合は、次を実行します。
アップグレードを続行する前に、現在のリポジトリパッケージを最新バージョンに更新して、最新のパッケージとの互換性を確保し、最新のセキュリティパッチやバグ修正を含めてください。
RHEL 9では次を実行します。
RHEL 8では次を実行します。
古いRHELバージョンまたはその派生バージョンの場合は、上記のリンクをZabbixリポジトリの正しいリンクに置き換えてください。 ただし、これらのバージョンのパッケージには、すべてのZabbixコンポーネントが含まれていない場合があることに注意してください。含まれるコンポーネントのリストについては、Zabbixパッケージ。
次に、dnf
パッケージマネージャーのキャッシュ (以前のインストールまたは更新中にダウンロードされたヘッダー、メタデータ、およびパッケージファイルを含む) をクリーンアップします。
次のdnf
操作で古いメタデータがクリアされるため、dnf
はリポジトリから新しいメタデータをダウンロードします。
参照: RHELでのリポジトリ構成パッケージの更新に関する既知の問題。
Zabbixコンポーネントをアップグレードするには、次を実行します。
mysql
をpgsql
に置き換えます。server
をproxy
に置き換えます。zabbix-agent
をzabbix-agent2 zabbix-agent2-plugin-*
に置き換えます。'dnf install zabbix-agent2'コマンドを使用して Zabbixエージェント2をアップグレードすると、エラーが発生する可能性があります。 詳細については既知の問題点を参照してください。
次に、Apacheを使用したWebフロントエンドをアップグレードし、再起動するには、次のコマンドを実行します。
関連するアップグレード時の注意点を参照して、設定パラメーターの変更が必要かどうかを確認してください。
新しいオプションのパラメーターについては、新機能 ページを参照してください。
アップグレードされたZabbixコンポーネントを起動します。
systemctl start zabbix-server
systemctl start zabbix-proxy
systemctl start zabbix-agent
systemctl start zabbix-agent2
アップグレード後、Zabbix Webインターフェースが正しく動作するために、Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリアが必要になる場合があります。
Zabbix 7.0.xはマイナーバージョン間の、たとえば7.0.1から7.0.3のアップグレードが可能です。
すべてのZabbixコンポーネントをアップグレードするには、次を実行します。
'zabbix-*'
を'zabbix-server-*'
に置き換えます。'zabbix-*'
を'zabbix-proxy-*'
に置き換えます。'zabbix-*'
を'zabbix-agent-*'
に置き換えます。'zabbix-*'
を'zabbix-agent2-*'
に置き換えます。