Zabbixプロキシは、1つ以上の監視対象から監視データを収集し、その情報をZabbixサーバーに送信するプロセスであり、基本的にサーバーに代わって機能します。収集されたすべてのデータはローカルにバッファリングされてから、プロキシが属するZabbixサーバーに転送されます。
プロキシのデプロイはオプションですが、単一のZabbixサーバーの負荷を分散するのに非常に役立つ場合があります。プロキシがデータを収集する場合、サーバーのCPUとディスクI/Oの負荷が少なくなります。
Zabbixプロキシは、ローカル管理者がいなくても、リモートロケーション、ブランチ、ネットワークを一元的に監視するための理想的なソリューションです。
Zabbixプロキシにはサーバーとは別のデータベースが必要です。
ZabbixプロキシでサポートされているデータベースはSQLite、MySQL、PostgreSQLであることに注意してください。 Oracleの使用は自己責任であり、たとえば、低レベルの検出ルールの戻り値のように、いくつかの制限が含まれる場合があります。
Zabbixプロキシはデーモンプロセスとして実行されます。プロキシを起動するには以下を実行します。
これはほとんどのGNU/Linuxシステムで動きます。他のシステムでは、以下のように実行する必要がある場合があります。
同様に、Zabbixプロキシの停止/再起動/ステータス表示するには以下を実行します。
shell> systemctl stop zabbix-proxy
shell> systemctl restart zabbix-proxy
shell> systemctl status zabbix-proxy
サービス起動が機能しない場合は、手動起動する必要があります。 zabbix_proxyバイナリへのパスを見つけて、以下を実行します。
Zabbixプロキシでは次のコマンドラインパラメータを使用できます。
-c --config <file> 設定ファイルパスを指定
-f --foreground フォアグラウンドでZabbixプロキシを実行する
-R --runtime-control <option> 管理機能実行
-h --help ヘルプの表示
-V --version バージョン番号の表示
コマンドラインパラメータを使用してZabbixプロキシを実行する例:
shell> zabbix_proxy -c /usr/local/etc/zabbix_proxy.conf
shell> zabbix_proxy --help
shell> zabbix_proxy -V
ランタイムコントロールオプション :
オプション | 説明 | ターゲット |
---|---|---|
config_cache_reload | 設定キャッシュをリロードします。キャッシュが現在ロードされている場合は無視されます。 アクティブなZabbixプロキシはZabbixサーバーに接続し、設定データを要求します。 パッシブZabbixプロキシは、次回サーバーがプロキシに接続するときに、Zabbixサーバーから設定データを要求します。 |
|
diaginfo[=<section>] | プロキシログファイルに診断情報を収集します | historycache - ヒストリキャッシュ統計 preprocessing - 前処理マネージャー統計 locks - ミューテックスリスト(BSDシステムでは空) |
snmp_cache_reload | SNMPキャッシュをリロードし、すべてのホストのSNMPプロパティ(engine time, engine boots, engine id, credentials)をクリアします。 | |
housekeeper_execute | ハウスキーピングを開始します。ハウスキーピングが現在進行中の場合は無視されます。 | |
log_level_increase[=<target>] | ログレベルを上げます。ターゲットが指定されていない場合はすべてのプロセスに影響します。 BSDシステムではサポートされていません。 |
process type - 指定されたタイプのすべてのプロセス(例: poller) すべてのプロキシプロセスタイプを参照してください。 process type,N - プロセスタイプと番号(例: poller,3) pid - プロセスID(1〜65535)。値が大きい場合は、ターゲットを'process type,N'として指定します。 |
log_level_decrease[=<target>] | ログレベルを下げます。ターゲットが指定されていない場合はすべてのプロセスに影響します。 BSDシステムではサポートされていません。 |
|
prof_enable[=<target>] | プロファイリングを有効にします。 ターゲットが指定されていない場合はすべてのプロセスに影響します。 有効なプロファイリングでは、関数名ごとにすべての rwlocks/mutex の詳細が提供されます。 |
process type - 指定されたタイプのすべてのプロセス (例: history syncer) すべてのプロキシプロセスタイプを参照してください。 process type,N - プロセスタイプと番号 (例 : history syncer,1) pid - プロセスID(1〜65535)。値が大きい場合は、ターゲットを'process type,N'として指定します。 scope - rwlock 、mutex 、processing はプロセスタイプと番号とともに(例: history syncer,1,processing)、あるいは全てのプロセスタイプとともに(例: history syncer,rwlock)使用できます。 |
prof_disable[=<target>] | プロファイリングを無効にします。 ターゲットが指定されていない場合はすべてのプロセスに影響します。 |
process type - 指定されたタイプのすべてのプロセス (例: history syncer) すべてのプロキシプロセスタイプを参照してください。 process type,N - プロセスタイプと番号 (例: history syncer,1) pid - プロセスID(1〜65535)。値が大きい場合は、ターゲットを'process type,N'として指定します。 |
ランタイム制御を使用してプロキシ設定キャッシュをリロードする例 :
ランタイム制御を使用して診断情報を収集する例 :
プロキシログファイルに利用可能なすべての診断情報を収集する場合 :
shell> zabbix_proxy -R diaginfo
プロキシログファイルに履歴キャッシュ統計を収集する場合 :
shell> zabbix_proxy -R diaginfo=historycache
ランタイムコントロールを使用してSNMPキャッシュをリロードする例 :
ランタイムコントロールを使用してハウスキーパーの実行をトリガーする例 :
ランタイムコントロールを使用してログレベルを変更する例 :
すべてのプロセスのログレベルを上げる場合 :
shell> zabbix_proxy -c /usr/local/etc/zabbix_proxy.conf -R log_level_increase
2番目のpollerプロセスのログレベルを上げる場合 :
shell> zabbix_proxy -c /usr/local/etc/zabbix_proxy.conf -R log_level_increase=poller,2
PID1234のプロセスのログレベルを上げる場合 :
shell> zabbix_proxy -c /usr/local/etc/zabbix_proxy.conf -R log_level_increase=1234
すべてのhttp pollerプロセスのログレベルを下げる場合 :
shell> zabbix_proxy -c /usr/local/etc/zabbix_proxy.conf -R log_level_decrease="http poller"
Zabbixプロキシはroot以外のユーザーとして実行するように設計されていて、起動されたroot以外のユーザーとして実行されます。したがってroot以外のユーザーで問題なくプロキシを起動できます。
'root'として実行しようとすると、ハードコードされた'zabbix'ユーザーに切り替わります。これはシステムに存在している必要があります。プロキシ設定ファイルのAllowRoot
パラメータを変更した場合にのみ、「root」としてプロキシを実行できます。
zabbix_proxyの詳細設定については設定ファイルオプションを参照してください。
availability manager
- ホスト可用性更新プロセスconfiguration syncer
- 設定データメモリ内キャッシュ管理プロセスdata sender
- プロキシデータsenderdiscoverer
- デバイス発見プロセスhistory syncer
- ヒストリDB書き込みhousekeeper
- 古いヒストリデータを削除するプロセスhttp poller
- ウェブモニタリングpollericmp pinger
- icmp pingチェックpolleripmi manager
- IPMI poller マネージャーipmi poller
- IPMI チェックpollerjava poller
- Java チェックpollerodbc poller
- ODBC チェックpollerpoller
- パッシブチェック用通常ポーラーpreprocessing manager
- 前処理タスクマネージャーpreprocessing worker
- データ前処理プロセスself-monitoring
- 内部サーバー統計収集プロセスsnmp trapper
- SNMP trapsのトラッパーtask manager
- 他のコンポーネントによって要求されたタスクのリモート実行プロセス(例:問題のクローズ、問題の確認、現在のアイテム値の確認、リモートコマンド機能)trapper
- アクティブチェック、traps、プロキシ通信用のトラッパーunreachable poller
- 使用不能デバイスのpollervmware collector
- VMwareサービスからのデータ収集を担当するVMwareデータコレクタプロキシログファイルを使用して、これらのプロセスタイプを監視できます。
zabbix[process,<type>,<mode>,<state>]内部アイテムを使用して、さまざまなタイプのZabbixプロキシプロセスを監視できます。
Zabbixプロキシは、Zabbixサーバーと同じサポートされているプラットフォームのリストに記載されているプラットフォームで実行可能です。
一部のテキスト項目を正しく解釈できるように、プロキシにはUTF-8ロケールが必要です。最近のほとんどのUnixライクなシステムには、デフォルトでUTF-8ロケールがありますが、それを具体的に設定する必要があるシステムもあります。