3 SUSE Linux Enterprise Server

概要

SUSE Linux Enterprise Serverの公式Zabbix 6.4パッケージは、Zabbix Webサイトで入手できます。

ZabbixエージェントパッケージとユーティリティZabbix getおよびZabbix senderは、Zabbix公式リポジトリSLES 15 (SP4以降)SLES 12 (SP4以降)で入手できます。

SLES 12では次の機能が利用できないことに注意してください。

  • MySQLでのVerify CA暗号化モードはMySQLライブラリが古いため機能しません。
  • Zabbix 6.4以降、libsshバージョンが古いため、SSHチェックはプロキシとサーバーの両方でサポートされていません。

Zabbixリポジトリの追加

リポジトリパッケージをインストールします。 このパッケージには、yum (ソフトウェアパッケージマネージャー)設定ファイルが含まれています。

SLES 15:

rpm -Uvh --nosignature https://repo.zabbix.com/zabbix/6.4/sles/15/x86_64/zabbix-release-latest.sles15.noarch.rpm
       zypper --gpg-auto-import-keys refresh 'Zabbix Official Repository'

SLES 12:

rpm -Uvh --nosignature https://repo.zabbix.com/zabbix/6.4/sles/12/x86_64/zabbix-release-latest.sles12.noarch.rpm
       zypper --gpg-auto-import-keys refresh 'Zabbix Official Repository'

定期レポートの生成に使用されるZabbix Webサービスプロセスには、Google Chromeブラウザが必要です。ブラウザはパッケージに含まれていないため、手動でインストールする必要があります。

サーバー/フロントエンド/エージェントのインストール

PHP 7、Apache、およびMySQLをサポートするZabbixサーバー/フロントエンド/エージェントをインストールするには次のコマンドを実行します。

zypper install zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-apache-conf zabbix-agent

必要に応じて、このコマンドのコンポーネント名を置き換えます。

  • Nginxの場合: zabbix-apache-confの代わりにzabbix-nginx-confを使用してください。参照: SLES 12/15でのZabbixのNginxセットアップ
  • PHP 8の場合: Apacheの場合はzabbix-apache-confの代わりにzabbix-apache-conf-php8を使用してください。Nginxの場合はzabbix-nginx-confの代わりにzabbix-nginx-conf-php8を使用してください。
  • PostgreSQLの場合: zabbix-server-mysqlの代わりにzabbix-server-pgsqlを使用してください。zabbix-web-mysqlの代わりにzabbix-web-pgsqlを使用してください。
  • Zabbix agent 2の場合 (SLES 15のみ): zabbix-agentの代わりか、追加してzabbix-agent2を使用してください。

MySQLをサポートするZabbixプロキシをインストールするには、

zypper install zabbix-proxy-mysql zabbix-sql-scripts

PostgreSQLの場合zabbix-proxy-mysqlの代わりにzabbix-proxy-pgsqlを使用してください。

SQLite3の場合zabbix-proxy-mysqlの代わりにzabbix-proxy-sqlite3を使用してください。

パッケージ'zabbix-sql-scripts'には、ZabbixサーバーとZabbixプロキシの両方でサポートされているすべてのデータベース管理システムのデータベーススキーマが含まれており、データのインポートに使用されます。

データベースの作成

Zabbixサーバーおよびプロキシデーモンには、データベースが必要です。 Zabbixエージェントはデータベースが必要ありません。

データベースを作成するには、MySQLまたはPostgreSQLの指示に従ってください。 SQLite3データベース (Zabbixプロキシのみでサポート)は自動的に作成され、追加のインストール手順は必要ありません。

ZabbixサーバーとZabbixプロキシには個別のデータベースが必要です。 同じデータベースを使用することはできません。したがってサーバーとプロキシが同じホストにインストールされている場合、それらが参照するデータベースは異なる名前で作成する必要があります!

データのインポート

ここで、MySQLを使用してサーバーの初期スキーマとデータをインポートします。

zcat /usr/share/packages/zabbix-sql-scripts/mysql/create.sql.gz | mysql -uzabbix -p zabbix

新しく作成したデータベースのパスワードを入力するよう求められます。

PostgreSQLの場合:

zcat /usr/share/packages/zabbix-sql-scripts/postgresql/create.sql.gz | sudo -u zabbix psql zabbix

TimescaleDBの場合、前のコマンドに加えて次も実行します:

zcat /usr/share/packages/zabbix-sql-scripts/postgresql/timescaledb.sql.gz | sudo -u <username> psql zabbix

TimescaleDBは、Zabbixサーバーでのみサポートされます。

プロキシの場合、初期スキーマをインポートします:

zcat /usr/share/packages/zabbix-sql-scripts/mysql/schema.sql.gz | mysql -uzabbix -p zabbix

PostgreSQLを使用したプロキシの場合:

zcat /usr/share/packages/zabbix-sql-scripts/postgresql/schema.sql.gz | sudo -u zabbix psql zabbix

Zabbixサーバー/プロキシのデータベースの設定

Zabbixサーバー設定ファイル(/etc/zabbix/zabbix_server.conf)を編集し、必要に応じて、それぞれのデータベースのZabbixプロキシ設定ファイル(/etc/zabbix/zabbix_proxy.conf)を編集します。 例:

DBHost=localhost
       DBName=zabbix
       DBUser=zabbix
       DBPassword=<password>

MySQLの場合は、DBPasswordにZabbixデータベースパスワードを使用します。PostgreSQLの場合は、PostgreSQLユーザーのパスワードを使用します。

PostgreSQLでは、DBHost=を使用します。デフォルト設定のDBHost=localhost (またはIPアドレス)を使用したい場合、PostgreSQLがZabbixへの接続にネットワーク ソケットを使用することになります。

Zabbix Webインターフェース設定

使用するWebサーバー(Apache/Nginx)に応じて、Zabbix Webインターフェースの対応する設定ファイルを編集します。 一部のPHP設定はすでに構成されている可能性がありますが、date.timezone設定のコメントを解除し、要件に合った適切なタイムゾーン設定を指定することが重要です。

  • Apacheの場合、設定ファイルは/etc/apache2/conf.d/zabbix.confにあります。
    php_value max_execution_time 300
           php_value memory_limit 128M
           php_value post_max_size 16M
           php_value upload_max_filesize 2M
           php_value max_input_time 300
           php_value max_input_vars 10000
           php_value always_populate_raw_post_data -1
           # php_value date.timezone Europe/Riga
  • zabbix-nginx-confパッケージは、Zabbix Webインターフェース用に別のNginxサーバーをインストールします。その設定ファイルは/etc/nginx/conf.d/zabbix.confにあります。Zabbix Webインターフェースが機能するためには、listenおよび/またはserver_nameディレクティブのコメントを外して設定する必要があります。
    # listen 80;
           # server_name example.com;
  • Zabbixは、Nginxとの独自で専用のphp-fpm接続プールを使用します。

設定ファイルは/etc/php7/fpm/php-fpm.d/zabbix.confにあります (パスはサービスパックによって若干異なる場合があります).

php_value[max_execution_time] = 300
       php_value[memory_limit] = 128M
       php_value[post_max_size] = 16M
       php_value[upload_max_filesize] = 2M
       php_value[max_input_time] = 300
       php_value[max_input_vars] = 10000
       ; php_value[date.timezone] = Europe/Riga

これで、新しくインストールされたZabbixにアクセスできるWebインターフェースのインストール手順に進む準備が整いました。

ZabbixプロキシにはWebインターフェースがなく、Zabbixサーバーとのみ通信することに注意してください。

Zabbixサーバー/エージェントのプロセスの開始

Zabbixサーバーとエージェントのプロセスを開始し、システムの起動時に開始するようにします。

Apache Webサーバーの場合:

systemctl restart zabbix-server zabbix-agent apache2 php-fpm
       systemctl enable zabbix-server zabbix-agent apache2 php-fpm

Nginxの場合、'apache2'を'nginx'に置き換えます。

debuginfoパッケージのインストール

debuginfoリポジトリを有効にするには、/etc/zypp/repos.d/zabbix.repoファイルを編集します。 zabbix-debuginfoリポジトリのenabled=0enabled=1に変更します。

[zabbix-debuginfo]
       name=Zabbix Official Repository debuginfo
       type=rpm-md
       baseurl=http://repo.zabbix.com/zabbix/6.4/sles/15/x86_64/debuginfo/
       gpgcheck=1
       gpgkey=http://repo.zabbix.com/zabbix/6.4/sles/15/x86_64/debuginfo/repodata/repomd.xml.key
       enabled=0
       update=1

これによりzabbix-<component>-debuginfo パッケージをインストールできます。