2 WindowsでのZabbixエージェント2のビルド

概要

このセクションでは、Zabbixエージェント2 (Windows)をソースコードからビルドする方法を説明します。

MinGWコンパイラのインストール

1. SJLJ (set jump/long jump)例外処理と Windowsスレッドを備えたMinGW-w64をダウンロードします (例: x86_64-8.1.0-release-win32-sjlj-rt_v6-rev0.7z)
2. 解凍して、c:\mingwへ移動します。
3. 環境変数の設定をします。

@echo off
       set PATH=%PATH%;c:\mingw\bin
       cmd

コンパイル時に、MinGWが提供するMSYSターミナルの代わりにWindowsプロンプトを使用します。

PCRE開発者用ライブラリのコンパイル

次の手順で、64ビットPCREライブラリをc:\dev\pcreに、32ビットライブラリをc:\dev\pcre32にコンパイルしてインストールします。

1. PCREまたはPCRE2(Zabbix 6.0以降サポート) ライブラリ(https://pcre.org/)をダウンロードして解凍します。
2. cmd を開き、解凍されたソースに移動します。

64bit版PCREのビルド

1. 古い設定/キャッシュが存在する場合は削除します。

del CMakeCache.txt
       rmdir /q /s CMakeFiles

2. cmakeを実行します (CMakeはhttps://cmake.org/download/からインストールできます)。

cmake -G "MinGW Makefiles" -DCMAKE_C_COMPILER=gcc -DCMAKE_C_FLAGS="-O2 -g" -DCMAKE_CXX_FLAGS="-O2 -g" -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=c:\dev\pcre

3. 次のコマンドを実行します。

mingw32-make clean
       mingw32-make install
32bit版PCREのビルド

1. 次のコマンドを実行します。

mingw32-make clean

2. CMakeCache.txtを削除します。

del CMakeCache.txt
       rmdir /q /s CMakeFiles

3. cmakeを実行します。

cmake -G "MinGW Makefiles" -DCMAKE_C_COMPILER=gcc -DCMAKE_C_FLAGS="-m32 -O2 -g" -DCMAKE_CXX_FLAGS="-m32 -O2 -g" -DCMAKE_EXE_LINKER_FLAGS="-Wl,-mi386pe" -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=c:\dev\pcre32

4. 次のコマンドを実行します。

mingw32-make install

MinGWを使用したOpenSSLライブラリのビルド

  1. まだインストールしていない場合は、CygwinPerl for Cygwinをインストールし、公式Perlドキュメントの指示に従って設定します。

  2. 次のコマンドを実行します。

perl Configure mingw64 no-shared no-ui-console no-tests no-capieng --libdir=lib --api=1.1.0 --prefix=c:\dev\openssl32 --openssldir=c:\dev\openssl32
       
       make build_sw
       
       make install_dev

Zabbixエージェント2のコンパイル

32bit

MinGW環境(Windowsコマンドプロンプト)を起動し、Zabbixソースツリーのbuild/mingwディレクトリに移動します。

次のコマンドを実行します。

mingw32-make clean
       mingw32-make ARCH=x86 PCRE=c:\dev\pcre32 OPENSSL=c:\dev\openssl32
64 bit

MinGW環境(Windowsコマンドプロンプト)を起動し、Zabbixソースツリーのbuild/mingwディレクトリに移動します。

次のコマンドを実行します。

mingw32-make clean
       mingw32-make PCRE=c:\dev\pcre OPENSSL=c:\dev\openssl

32ビット版、64ビット版ともに64ビットプラットフォームでビルドすることができますが、32ビットプラットフォーム上でビルドできるのは32ビット版のみです。 32ビットプラットフォームで作業する場合は、64ビットプラットフォームの64ビット版と同じ手順を踏んでください。