2 Debian/Ubuntu

概要

このセクションではDebian/Ubuntu用の公式Zabbixパッケージを使用して、Zabbix 6.4.xからZabbix 7.0.xの最新バージョンへアップグレードする手順について説明します。

アップグレードする前に、関連するアップグレード時の注意点を確認し、システムがZabbix 7.0の要件を満たしていることを確認してください。

アップグレード中に並行してSSHのセッションを実行することを検討してください。一方はアップグレード手順の実行用で、もう一方はサーバー/プロキシのログを監視用です。例えば、tail -f zabbix_server.logまたはtail -f zabbix_proxy.logを実行すると、最新のログとエラー発生をリアルタイムで把握することができます。これは本番環境のインスタンスにとって重要です。

Zabbix 7.0.xのマイナーバージョン間 (たとえば、7.0.1から7.0.3)へのアップグレード手順については、マイナーバージョン間のアップグレードを参照してください。

アップグレード手順

1 Zabbixプロセスの停止

Zabbixサーバーを停止して、データベースに新しいデータが挿入されていないことを確認します。

systemctl stop zabbix-server

Zabbixプロキシやエージェント、エージェント2もアップグレードする場合は、同様に停止します。

systemctl stop zabbix-proxy
       systemctl stop zabbix-agent
       systemctl stop zabbix-agent2
2 Zabbixデータベースのバックアップ

既存のZabbixデータベースをバックアップして、アップグレードの失敗 (ディスク容量の問題、電源喪失、予期せぬ問題など) から保護します。

3 Zabbix設定ファイル、PHPファイル、Zabbixバイナリのバックアップ

既存のZabbix設定ファイル、PHP ファイル、およびZabbixバイナリをバックアップします。

設定ファイルの場合は、次を実行します。

mkdir /opt/zabbix-backup/
       cp /etc/zabbix/zabbix_server.conf /opt/zabbix-backup/
       cp /etc/apache2/conf-enabled/zabbix.conf /opt/zabbix-backup/

PHPファイルとZabbixバイナリの場合は、次を実行します。

cp -R /usr/share/zabbix/ /opt/zabbix-backup/
       cp -R /usr/share/zabbix-* /opt/zabbix-backup/
4 リポジトリ構成パッケージ更新

アップグレードを続行するには、現在のZabbixリポジトリパッケージをアンインストールする必要があります。

rm -Rf /etc/apt/sources.list.d/zabbix.list

次に、最新のリポジトリ構成パッケージをインストールして、最新のパッケージとの互換性を確保し、最新のセキュリティパッチやバグ修正を含めます。

Debian 12では次を実行します。

wget https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/debian/pool/main/z/zabbix-release/zabbix-release_latest+debian12_all.deb
       dpkg -i zabbix-release_latest+debian12_all.deb

古いDebianバージョンの場合は、上記のリンクをZabbixリポジトリの正しいリンクに置き換えてください。 ただし、これらのバージョンのパッケージには、Zabbixコンポーネントが何か含まれていない可能性があることに注意してください。 含まれるコンポーネントのリストについては、Zabbixパッケージを参照してください。

Ubuntu 24.04では次を実行します。

wget https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/ubuntu/pool/main/z/zabbix-release/zabbix-release_latest+ubuntu24.04_all.deb
       dpkg -i zabbix-release_latest+ubuntu24.04_all.deb

Ubuntu 22.04では次を実行します。

wget https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/ubuntu/pool/main/z/zabbix-release/zabbix-release_latest+ubuntu22.04_all.deb
       dpkg -i zabbix-release_latest+ubuntu22.04_all.deb

古いUbuntuバージョンの場合は、上記のリンクをZabbixリポジトリの正しいリンクに置き換えてください。 ただし、これらのバージョンのパッケージには、Zabbixコンポーネントが何か含まれていない可能性があることに注意してください。 含まれるコンポーネントのリストについては、Zabbixパッケージを参照してください。

Zabbixリポジトリ設定に関するプロンプトが表示される場合があります。

Configuration file '/etc/apt/sources.list.d/zabbix.list'
       ==> Deleted (by you or by a script) since installation.
       ==> Package distributor has shipped an updated version.
       What would you like to do about it ?  Your options are:
       Y or I  : install the package maintainer's version
       N or O  : keep your currently-installed version
       D       : show the differences between the versions
       Z       : start a shell to examine the situation
       The default action is to keep your current version.
       *** zabbix.list (Y/I/N/O/D/Z) [default=N] ?

Y (またはI)を入力して、パッケージ管理者のバージョンのZabbixリポジトリ設定をインストールします。

次に、リポジトリ情報を更新します。

apt update
5 Zabbixコンポーネントのアップグレード

Zabbixコンポーネントをアップグレードするには、次を実行します。

apt install --only-upgrade zabbix-server-mysql zabbix-frontend-php zabbix-agent
  • PostgreSQLを使用している場合は、コマンドのmysqlpgsqlに置き換えます。
  • プロキシをアップグレードする場合は、コマンドのserverproxyに置き換えます。
  • Zabbixエージェント2をアップグレードする場合は、コマンドのzabbix-agentzabbix-agent2 zabbix-agent2-plugin-*に置き換えます。

'apt install zabbix-agent2'コマンドを使用して Zabbixエージェント2をアップグレードすると、エラーが発生する可能性があります。 詳細については既知の問題点を参照してください。

Zabbixサーバー (またはプロキシ)の設定に関するプロンプトが表示される場合があります。

Configuration file '/etc/zabbix/zabbix_server.conf'
       ==> Modified (by you or by a script) since installation.
       ==> Package distributor has shipped an updated version.
       What would you like to do about it ?  Your options are:
       Y or I  : install the package maintainer's version
       N or O  : keep your currently-installed version
       D       : show the differences between the versions
       Z       : start a shell to examine the situation
       The default action is to keep your current version.
       *** zabbix_server.conf (Y/I/N/O/D/Z) [default=N] ?

状況に最も適したオプションを入力してください。 たとえば、Dと入力して現在の設定と新しい設定を比較し、パッケージ管理者のバージョン (YまたはI) をインストールするかどうかを決定します。

次に、Apacheを使用したZabbixフロントエンドをアップグレードし、再起動するには、次のコマンドを実行します。

apt install zabbix-apache-conf
       systemctl restart apache2
6 コンポーネント設定パラメーターの確認

関連するアップグレード時の注意点を参照して、設定パラメーターの変更が必要かどうかを確認してください。

新しいオプションのパラメーターについては、新機能 ページを参照してください。

7 Zabbixプロセスの起動

アップグレードされたZabbixコンポーネントを起動します。

systemctl start zabbix-server
       systemctl start zabbix-proxy
       systemctl start zabbix-agent
       systemctl start zabbix-agent2
8 Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリア

アップグレード後、Zabbix Webインターフェースが正しく動作するために、Webブラウザのクッキーとキャッシュのクリアが必要になる場合があります。

マイナーバージョンアップグレード

Zabbix 7.0.xはマイナーバージョン間の、たとえば7.0.1から7.0.3のアップグレードが可能です。

まず、リポジトリ情報を更新します。

apt update

次に、すべてのZabbixコンポーネントをアップグレードするために、次を実行します。

apt install --only-upgrade 'zabbix*'
  • Zabbixサーバーのみをアップグレードするには、コマンド内の'zabbix-*''zabbix-server-*'に置き換えます。
  • Zabbixプロキシのみをアップグレードするには、コマンド内の'zabbix-*''zabbix-proxy-*'に置き換えます。
  • Zabbixエージェントのみをアップグレードするには、コマンド内の'zabbix-*''zabbix-agent-*'に置き換えます。
  • Zabbixエージェント2のみをアップグレードするには、コマンド内の'zabbix-*''zabbix-agent2-*'に置き換えます。