What’s new in Zabbix 6.4

Just-in-time (JIT) ユーザープロビジョニング

LDAPとSAMLを利用したユーザープロビジョニング機能により、Zabbixユーザを自動で作成・更新することができます。

• ユーザアカウント管理の自動化 - LDAPとSAMLのユーザグループをZabbixのユーザグループにマッピングすることが可能です
• エンタープライズグレードのセキュリティ - LDAP、SAMLユーザにユーザグループとユーザロールを自動的に割り当てます
• LDAP/SAMLの属性を利用して、メディアタイプをZabbixユーザに自動で割り当てることが可能
• SAML認証はJITとSCIMの両方のユーザープロビジョニングに対応

主要な障害原因と副次的な障害

障害画面とフィルタリングオプションを改善し、障害の主要原因を分かりやすく特定するために、発生した障害イベントを副次的なものとしてマークすることができるようになりました

• イベントを副次的な障害としてマークできるようになりました
• デフォルトではすべての新規障害イベントは主要原因として作成されます
• 複数の障害イベントを他の障害イベントの副次的なものとしてリンクすることができます
• 新しい{EVENT.CAUSE} マクロを利用し、主要原因となる障害イベントのデータを表示できます
• イベントに関するAPIでも主要原因や副次的な障害のフィルタリングを利用できます

設定変更の即時反映

アクティブモード、パッシブモードのどちらでもZabbixプロキシやエージェントに監視設定の変更を即座に反映できるようになりました

Webインターフェースで行った監視設定の変更は即座にZabbixrプロキシやエージェントへ反映されます

• ProxyConfigFrequencyパラメータに1秒から設定同期の間隔を指定できます
• Zabbixプロキシは設定変更のの差分のみを受け取るようになりました
• この動作の変更により、Zabbixプロキシの設定同期のパフォーマンスが大幅に向上しました

Zabbixアクティブエージェントは設定変更があった場合のみ設定を同期するようになりました

• 設定変更は即座にZabbixアクティブエージェントに反映させることができるようになりました
• RefreshActiveChecksパラメータに1-86400の範囲で設定ができるようになりました
• ZabbixエージェントとZabbixエージェント2の両方で改善を行っています

Zabbixプロキシの互換性の改善

特に大規模環境におけるZabbixのアップグレード作業を改善するため、プロキシはLTSリリースサイクル内で後方互換性を持つようになりました

• ZabbixプロキシはZabbixサーバと同じメジャーバージョンであれば完全な機能と動作が保証されます
• LTS以外のバージョン(例:Zabbix6.4サーバ)の場合、プロキシのメジャーバージョンがZabbixサーバより古く、同じLTSリリース内であればプロキシはoutdatedとして動作します(例:Zabbix6.0/6.2プロキシ)
• LTSバージョン(例:Zabbix7.0サーバ)の場合、プロキシのメジャーバージョンがZabbixサーバより古く、以前のLTSリリースよりも古い場合はoutdatedと判定されます(例:Zabbix6.0プロキシ)
• outdatedと判定されたバージョンが古いプロキシでもデータ収集とリモートコマンド実行が可能です
• それ以外のバージョンの組み合わせではZabbixプロキシは動作しません

SNMPのディスカバリとbulkリクエストのパフォーマンス改善

GetBulkリクエストを改善し、監視対象デバイスへ与える負荷を最小限に抑えつつ多数の監視データを収集できるようになりました

• 新しいwalk[OID1,OID2,...]アイテム
• walkアイテムはGetBulkリクエストを利用し、同時に複数のSNMPインデックスを取得します
• 一括で収集したSNMPデータをJSONに変換する新しい保存前処理が利用できます
• デフォルトのテンプレートを新しいSNMPの一括取得機能を利用するように変更しました
• Zabbix6.4以前から存在したbulkリクエストは複合リクエストに名称を変更しました

新しいメニューレイアウト

Zabbixのメニューレイアウトが新しくなりました。Zabbixの主要な機能に論理的かつ一貫してアクセスできます

• ダッシュボードをトップレベルのメニューに移動しました
• トップレベルに通知メニューを追加し関連する項目をサブメニューに追加しました
• トップレベルにユーザーメニューを追加追加しユーザ管理に関連するサブメニューを追加しました
• トップレベルにデータ収集メニューを追加し、設定メニューに代わりデータ収集の設定に関連するサブメニューを含んでいます

監視データとイベントのHTTPによるリアルタイムストリーミング

Zabbixで収集した監視データとイベントをHTTP経由で外部システムにストリーミングすることができます

• Kafka、RabbitMQ、Amazon Kinesisなどのメッセージブローカーに監視データやイベントをストリーミングし、収集したデータをリアルタイムに活用することができます
• アプリケーションやマイクロサービスから収集した監視データやイベントをデータレイクやデータウェアハウスにストリーミングし、長期保存することができます
• 外部のAIエンジンにストリーミングすることで、監視データとイベントを分析することも可能です
• 「管理」⇒「一般」の「コネクター」画面で設定を行うことができます
• コネクター画面では、監視データややイベントを送信する外部システムを設定できます
• Zabbixサーバはクライアントとして動作し、リモートのエンドポイントにデータを送信します
• ストリーミングはREST APIによりHTTPで行われます
• アイテムによる監視データかトリガーによるイベントのストリーミングかを選択することができます
• タグフィルタにより一致するデータのみをストリーミングすることも可能です

テンプレートのバージョン管理

テンプレートのバージョン管理機能により、テンプレート管理と使いやすさが向上します

• テンプレートのバージョン管理によりCI/CDやZabbix APによりでテンプレートを自動的に最新に保つことができます
• テンプレートリストの新しいフィールド - ベンダーとバージョン
• Zabbix 6.4のデフォルトテンプレートのベンダーとバージョン設定も更新しています
• バージョンアップ時の既存のテンプレートにはベンダーとバージョン設定は空白のままです

ダッシュボードウィジェットの開発フレームワーク

カスタムウィジェットをより効率よく作成できるように、様々なデザインの変更を行いました

• ウィジェットはWebインターフェースのモジュールとして開発できるようになりまし
• モジュールは完全に独立し、Zabbixのインターフェースに変更を加えることなく作成できます
• 開発ガイドラインとフレームワークの詳細な解説を開発ドキュメントとして公開しました
• 組み込みのウィジェットをui/widgetsディレクトリに移動しました
• カスタムウィジェットは ui/modules/に配置して組み込むことができます
• カスタムのJavaScript/CSS/Imagesをロードすることもできます

アイテムのホストインターフェースが任意設定に

ZabbixサーバーやZabbixプロキシから直接監視する種類のアイテムでは、アイテムタイプによりホストインターフェースの設定は必須ではなくなりました。

• シンプルチェック
• 外部チェック
• SSHエージェント
• Telnetエージェント

選択式のメールサービスプロバイダ設定

いくつかのメールサービスプロバイダの設定を選択肢から選ぶだけで設定ができるようになり、簡単にメールサーバーの設定が行えます

• Gmail、Gmailリレー、Office 365、Office 365リレー、Generic SMPTから選択できます
• これらのメールサービスプロバイダではあらかじめSMTPとセキュリティが設定行われています
• 通常のSMTPサーバーを利用する場合はGeneric SMTP設定を利用できます

テンプレートとインテグレーション

様々な機器やクラウドのテンプレートを新規に追加しました

• Microsoft Azure MySQL servers
• Microsoft Azure PostgreSQL servers
• Microsoft Azure virtual machines
• Low-level discovery improvements in AWS by HTTP template
• Veeam Backup Enterprise Manager
• Veeam Backup and Replication
• Cisco Nexus 9000 Series
• BMC Control-M
• Cisco Meraki dashboard
• OS processes by Zabbix agent
• デフォルトOSテンプレートのファイルシステムのディスカバリ設定の改善

LINEメッセージアプリに障害通知するwebhook設定を追加しました