What's new in Zabbix 5.4

PDFレポート出力のスケジューリング

ダッシュボード画面のコンテンツから日次、週次、月次のPDFレポートを生成し、送信できます。あらかじめレポート用のダッシュボード設定を行なっておくことで、定期的なレポート作成を自動化できるようになりました。 レポートへのアクセス制御のための新しいユーザー権限設定も新規に追加しました。

より強力で柔軟な障害検知

トリガー条件式の設定書式をよりシンプルかつ柔軟に設定できるように大幅に改善し、また、条件式で利用できる演算子、統計関数、算術関数、文字列判定関数を拡充しました。これにより、より複雑で高度なリアルタイム障害検知が可能になりました。

高度なデータ集約機能

収集済みのデータを集計する機能を強化し、より複雑な集計元データの選択や、ワイルドカードやタグを利用した集計が行えるようになりました。キャパシティプランニングやビジネスレベルの監視、より高度な障害検知に利用することが可能です。

従来から存在した2つの機能(アグリゲート、計算アイテム)を統合し、かつ設定のフォーマットをトリガー条件式と共通化し、よりシンプルに利用できるようになりました。

グラフィカル表示機能の強化

スクリーンをダッシュボードに統合しました。また複数ページのダッシュボードが表示することが可能になり、様々なデータをダッシュボードに集約し、システム全体の稼働状況を把握することが可能です。

APIトークンによる認証

期限付きのAPI トークンを利用できるようになりました。Zabbixとサードパーティシステムと簡単に安全に統合できます。APIトークンを発行できるユーザーアカウントを制限することも可能です。

アイテムのタグ設定

ホスト、テンプレート、トリガーに加えてアイテムでもタグ設定が可能です。従来のアプリケーション設定はタグに移行しました。

テンプレート管理の改善

テンプレートとテンプレート内の各設定が一意なIDを持つようになり、テンプレートの更新やインポートなどの管理が容易になります。例えば、テンプレートのインポート時に既存の設定との差分を表示でき、違いを確認してインポートが可能です。

テンプレートをGitレポジトリ上で管理し、更新があった場合にAPIを利用してZabbixサーバーへ更新を反映するなどの活用ができます。

スケーラビリティの改善

ZabbixサーバーやプロキシのPollerプロセスがデータベースへ直接接続しないように修正しました。これによりデータベースのCPUやメモリ負荷が下がり、監視処理のパフォーマンスが向上します。

Zabbixサーバーに新たにトレンドデータ用のキャッシュを追加し、トレンドデータを利用するトリガー関数のパフォーマンスが大幅に向上します。

Zabbixサーバーはプロキシからのデータ処理を均等に分散して処理するようになり、大量の監視データを受け取った場合でも効率の良い処理が可能です。

history syncerプロセスのパフォーマンスを改善し、大量の監視データの処理の並列処理が向上しました。

JavaScript設定をグローバルスクリプトに集約

Webhookや障害通知で利用するJavaScriptの設定をグローバルスクリプト設定へ移動しました。グローバルスクリプト設定でJavaScriptを集約して管理することができ、Webインターフェースからホスト名をクリックして実行するスクリプト実行機能にJavaScriptを利用した複雑な処理を利用できます。また、新たにWebインターフェースからイベントをクリックしてスクリプトを実行する機能も追加しました。

ホストやテンプレートの値のマッピング設定

値のマッピング設定はホストやテンプレートで設定できるようになり、グローバルレベルの設定は無くなりました。

テンプレート内で独立して設定を管理でき、他のテンプレートの設定と競合することもなくなるため、テンプレートの管理や共有が容易になります。

また、値のマッピング設定は値の範囲と正規表現を利用できるようになり、より柔軟な設定が可能です。

新しいインテグレーション

iTOP, VictorOps, Rocket.Chat, Signal, Express.msなどのソリューションへ障害検知を連携する設定を新規に追加しました。

新しいテンプレート

APC UPSハードウェア, Hikvisionカメラ, etcd, Hadoop, Zookeeper, Kafka, AMQ, HashiCorp Vault, MS Sharepoint, MS Exchange, smartclt, Gitlab, Jenkins, Apache Igniteなどの監視テンプレートを新規に追加しました。