Zabbix社、監視設定の管理とアップグレードを容易にするZabbix 6.4のリリースを発表 〜JITユーザープロビジョニング、設定の即時反映、Zabbixプロキシの互換性向上などZabbixの運用性を向上〜
2023年3月8日
Zabbix社（本社、Zabbix LLC：ラトビア共和国、代表取締役社長： Alexei Vladishev (アレクセイ ウラジシェフ)、日本支社、Zabbix Japan LLC：東京都港区、代表：寺島 広大）は、オープンソース監視ソフトウェアZabbixの最新バージョンZabbix 6.4をリリースしました。
Zabbix LLCは、Zabbixの最新メジャーバージョンであるZabbix 6.4をリリースしたことを発表します。 このリリースではZabbix監視設定の管理をより効率よく行えるようになり、特に多数の監視対象がある場合にさまざまな点で効率化とパフォーマンスが上がる改善を行っています。
Zabbix 6.4では主に監視設定の管理とアップグレードを容易にする互換性の向上などに注力して多数の機能改善を行いました。Webインターフェースから行った設定の即時反映やLDAPやSAMLを利用したユーザーアカウントのプロビジョニング、テンプレートのバージョニング機能、Zabbixプロキシのメジャーバージョンの互換性向上など、よりZabbixの設定を容易かつ効率的に管理できるようになりました。
また、Veeam、AWS、Azure、Ciscoなど、さまざまなベンダーやクラウドプロバイダー向けのテンプレートやインテグレーションも追加しています。
LDAP/SAMLを使ったユーザーアカウントのプロビジョニング
JITユーザープロビジョニング機能では、既存のエンタープライズLDAP/SAML認証機能を利用してZabbixユーザーのプロビジョニングと認証が可能です。これによりZabbixのユーザーアカウント、権限、役割、通知先を一元管理することができます。
障害の主要原因と副次的な障害の区別
発生した障害を他の障害の副次的な障害としてマークすることができるようになりました。副次的な障害は通知を抑制することもできます。これにより複数発生している障害の根本的な原因を特定することが容易になり、重要なシステム停止の際に副次的な障害検知によるノイズを抑制することができます。
監視設定をプロキシやエージェントに即時反映
Webインターフェースから行った監視設定を、即座にZabbixプロキシ、Zabbixエージェントへ同期することができるようになりました。監視設定の同期を差分のみ転送するようになり、大規模な環境でもパフォーマンスよく設定を反映することができます。
Zabbixプロキシのメジャーバージョン互換性の向上
Zabbixプロキシはメジャーバージョンが異なるZabbixサーバーと通信ができるようになりました。Zabbixプロキシは1つ前のLTSバージョンのZabbixサーバーと通信ができ、多数のZabbixプロキシを利用している環境でも、アップグレードをより容易に行えるようになります。
SNMPポーリングのパフォーマンス向上
SNMPのbulkリクエスト処理を改善し、一度のリクエストでより多数の監視データを収集できるようになりました。この改善により通常のSNMPポーリングと比較して最大で20倍程度まで効率的に監視データを収集できます。また、監視対象デバイスに与える負荷も大幅に軽減できます。
HTTPによる監視データとイベントのストリーム転送
収集した監視データ、検知した障害/復旧イベントをHTTPの通信で外部のアプリケーションへリアルタイムに送信できるようになりました。Kafka、RabbitMQ、Amazon Knesisなどのメッセージブローカーアプリケーションへストリーミングすることができます。これによりZabbixで収集したデータを分析レポート、AIエンジンの情報源として利用することができます。
テンプレートのバージョン管理とベンダー情報
テンプレートにバージョン管理機能を追加しました。これにより、より簡単にテンプレートを最新の状態に更新することができます。公式のテンプレートの管理だけでなく、CI/CDパイプラインの効率化、Zabbix APIによるテンプレートの自動更新などに利用することができます。また、カスタムで作成したテンプレートにはバージョンとベンダーの属性を付けることができます。
ウィジェットの開発フレームワーク
ダッシュボードのウィジェットの開発フレームワークを新しくデザインし、公式ドキュメントに新しく追加したデベロッパーセンターのセクションで公開しました。ドキュメントにはチュートリアル、ガイドライン、サンプルコードなどを記載しています。これによりコミュニティが互換性の高いカスタムウィジェットやツール、プラグインなどを作成、共有することができるようになります。
その他の改善点
その他にも、Webインターフェースの変更やUI/UXの改善、障害検知や保存前処理のパフォーマンスの改善、新しいアイテムなど多数の改善を行っています。
Zabbix 6.4のダウンロード
Zabbix監視ソリューションについて
Zabbixは多数のサーバ、仮想マシン、ネットワーク機器、アプリケーションから数百万の監視データを収集し、リアルタイム監視を実現するエンタープライズクラスのオープンソースの監視ソリューションです。大規模環境にも対応したパフォーマンスを持ち、正確な統計と性能情報を収集、分析、可視化や、現在の状況や潜在的な問題を遅延なく通知する事が可能です。
- 軽量なエージェントによる監視、エージェントレス監視、プロキシによる分散監視とZabbixサーバによる中央管理が可能にする拡張性の高いアーキテクチャ
- ディスカバリによる自動監視設定：サーバやネットワーク機器などの監視対象と、監視対象が搭載しているファイルシステム、ネットワークインターフェースなどを自動的に検知し監視設定を自動生成します
- シナリオベースのWeb監視機能による柔軟なWebアプリケーションの監視
- 豊富な監視機能を有し、かつスクリプトなどを利用した拡張的な監視によりすべてのものを一元的に監視可能
- どこからでもアクセス可能なWebブラウザベースのインターフェース
ZabbixはオープンソースでGPL General Public Licenseのもと開発を行っており、商用、非商用に関わらず無料で利用が可能です。世界のほぼすべての国のあらゆる業界で活発に利用されており、フォーチュン500社のうち50%以上の企業で利用されています。
[Zabbix社について]
Zabbix LLCは2005年に設立し、ラトビア共和国の首都リガにある本社ではソフトウェア開発を行っています。日本支社であるZabbix Japanは日本国内向けの公式なサポートやトレーニングを提供しています。
Zabbix社の主力製品は、オープンソースで配布されるエンタープライズモニタリングソリューションのZabbixです。Zabbix社は技術およびコンサルタントサポート、Zabbixの導入、実装、カスタム開発のサービス、およびZabbixのプロフェッショナルトレーニングなど幅広い商用サービスを提供しています。ユーザのニーズに対する柔軟なアプローチと、最高のサービスを手頃な価格で提供することに重点を置いています。Zabbix社には世界中に各地域を代表する100以上のパートナーがいます。
会社名：Zabbix Japan LLC
代表者：代表 寺島 広大
所在地：〒105-0021 東京都港区東新橋 2-16-3 カーザベルソーレ 8F
Webサイト：https://www.zabbix.com/jp/
*ZabbixはZabbix LLCのラトビアおよびその他の国における登録商標または商標です。