株式会社オプテージ様 導入事例
増加するコストやリソースの可視化に課題を抱えていたオプテージが、これまで利用していたJP1とZabbixを連携させ双方の利点を活用することで、理想的な監視環境を実現
増加するコストやリソースの可視化に課題を抱えていたオプテージが、これまで利用していたJP1とZabbixを連携させ双方の利点を活用することで、理想的な監視環境を実現
監視コストの削減とエージェントの導入負荷軽減、リソース情報の可視化を目指す
監視項目を網羅しつつ、コストや導入負荷が削減できること
既存の通知連携処理が継続できること
台数に依存しない費用の仕組みを模索
ZabbixによってOSテンプレートにエージェントを組み込み、負荷を軽減
単体でカバーできない要件は、JP1とZabbixを連携させることで解決
年間約1000万円以上のコスト削減が可能に
1台あたり約2時間かかっていたエージェントの導入を自動化
ブラウザでリソースグラフを提供、リソース情報の可視化を実現
関西電力グループの戦略の一環として、情報通信事業を展開する複数の企業が再編され2019年に発足したオプテージ。同社では、関西地区にて家庭向け通信サービス「eo光」を提供しているほか、法人・個人向け格安スマホサービス「mineo(マイネオ)」や、法人向けICTサービスおよびSIなど、全国にて情報通信サービスを幅広く展開している。社内ではWeb 3.0にも積極的に取り組んでおり、生成AIツールの活用も進んでいる。
オプテージが新たな監視ソリューションを模索し始めたのは2021年のこと。それまで長年利用していたJP1の標準サポートが3年後に終了するため、リプレースを検討したことがきっかけだった。
当時特に大きな課題だったのが、コストが増加していたことだ。「事業の多様化や新サービスの提供に伴い、監視対象とするサーバーは本番環境と検証環境を合わせて約1000台に達していました。JP1エージェントのライセンスと保守契約も台数分必要で、年間1000万円以上のコストがかかっていたんです。今後も監視対象サーバーは増加する予定だったので、コストを削減する必要がありました」と、オプテージ 経営本部コーポレートITシステム部 IT基盤・技術支援チーム サブマネージャーの妙中徹平氏は語る。
また、サーバーの新規構築時、監視エージェントの導入作業に手間と時間がかかっていたことも大きな負担となっていた。JP1エージェントは、新規監視の都度メディアからのインストールが必要だが、「社内での作業調整やバージョンごとの手順書整備が運用上の負荷となっていたほか、導入作業そのものにも2時間ほどかかっていました」と妙中氏。
さらに、サーバーリソースの確認方法がシステムごとに異なり、共通画面から確認することもできず、リソースの最適化も困難だった。そこで、「監視システム全体でリソース情報の可視化が必要だという考えに至りました」と、妙中氏は新ソリューションの検討に入った経緯を述べた。
新ソリューションの導入にあたっては、ライセンスコストを抑制できるOSSを中心に、複数の製品を検討した。その中で最終的に選んだのが、すでに他部署でも採用実績のあるZabbixだった。
「Zabbixであれば、システムの監視やアラート通知、パフォーマンスの可視化など、すでに他部署での実績があります。OSのテンプレートにZabbixのエージェントを組み込めるため、仮想サーバー構築時のインストール作業が自動化できますし、サーバーのリソース利用状況はブラウザにてグラフを提供することで可視化できます。コストに関しては、オープンソースであることや、パートナーであるアシストが監視対象台数に依存しないサポート体系となっていることから、監視コストも大幅に削減できると考えました」(妙中氏)
ただし、Zabbixのみでは解決できない要件もあった。ZabbixではSNMP Trap監視を単独では実装できず、監視項目を網羅することが困難だったのだ。また、完全にZabbixに移行するとJP1/Integrated Management 2(以下、JP1/IM2)などの既存通知連携処理を継続することができず、改修やテストが高コストになる点も問題だった。
そこで、パートナーとしてオプテージをサポートするアシストは、JP1とZabbixという2つのソリューションを組み合わせることを提案した。さまざまな製品を取り扱うベンダーフリーのアシストならではの提案だ。そのソリューションとは、死活監視やログ監視、プロセス監視、リソース監視はZabbixで監視し、SNMP Trap監視はJP1で監視、さらにZabbixで検知したイベントをJP1と連携させ、メール通知をJP1で実現するというものだ。
「JP1/IM2に関しては、他のツールとも連動していたため変更が困難だという事情もありました。このような案件は意外と多いので、連携ソリューションがマッチすると考えました」と、アシスト ビジネスインフラ技術本部 システム基盤技術統括部 技術3部 課長の園山佳織氏は説明する。
この連携ソリューションにより、エージェントのコスト削減と導入負荷の軽減、そしてリソースの可視化が可能となったほか、単独では困難だった監視項目も網羅し、既存の通知連携処理も継続することができた。こうして両製品の利点を最大限活かした監視システムが実現した。
Zabbix監視システムの構築やJP1からの移行はスムーズだった。死活監視やリソース監視といった標準監視項目はテンプレート化し、ホスト登録時に自動でリンクするようにした。システム固有の監視項目も検知設定などをテンプレート化、システム担当者はプロセス名などシステム固有の項目を入力するのみだ。
また、利用者向けのZabbix監視設定マニュアルも作成し、ユーザーが自らZabbixを設定できるよう、設定のオープン化にも踏み切った。Zabbixの利用経験がない担当者でも設定ができるよう、実機で検証しつつ整備したが、「ZabbixはGUIベースでの操作となるためわかりやすいですし、アシストからも機能説明やマニュアルに関するアドバイスなどさまざまなサポートを得ることができ、スムーズに検証を進めてマニュアルへと反映できました」と、オプテージ 経営本部コーポレートITシステム部 IT基盤・技術支援チームの平山勇氏は語る。このテンプレート化とマニュアル、そして設定のオープン化によって、監視設定の作業時間が大幅に短縮でき、運用の効率化を実現した。
既存サーバーへのZabbixエージェントの導入は、Ansibleで実施した。Ansibleから社内システムの監視対象サーバー約1000台に対し、Zabbixエージェントを自動で配布。エージェントの設定にもAnsibleを活用し、監視開始直前までを自動化した。このAnsibleの活用も、アシストの支援によるものだったという。
2023年9月、オプテージはJP1単体での監視体制からZabbixとJP1を組み合わせたソリューションへの移行を完了させた。これにより、「ライセンスと保守費用だけで年間約1000万円のコスト削減効果を見込んでいます。また、サーバー1台あたり約2時間かかっていた監視エージェントの導入作業も不要になり、アプリケーション部門からの仮想サーバー払い出し要請に迅速に応えられるようになりました。さらには、監視対象となる仮想サーバーのリソース情報も一元的に可視化できるため、監視基盤の高度な運用が可能になったと考えています」と、オプテージ 経営本部コーポレートITシステム部 IT基盤・技術支援チーム チームマネージャーの平井啓氏は語る。ZabbixとJP1の連携ソリューションによって当初の課題をすべて解決し、コスト削減とエージェント導入負荷の軽減、そしてリソースの可視化をすべて実現したことになる。
今回のソリューション導入にあたっては、「知見があるアシストの協力を得られたことも大きかった」と平井氏はいう。「目の前の課題をすべて解決できたことはもちろん、OSSの製品ライフサイクルを踏まえ、今後を見据えた運用設計ができたのもアシストの知見があってこそだと思います。ベンダーフリーで良いものを紹介し、当社のことを考えた提案をしてくれるので非常にありがたいですね。アシストのサポートセンターは以前から対応の品質が非常に良いと思っていましたが、ZabbixやJP1に詳しくなくても問い合わせができ、大変助かっています」(平井氏)
今後は、Zabbixの活用範囲を拡充し、ミドルウェアのパラメータやサービス監視など、より高度な監視も検討するほか、APIを活用した監視設定のさらなる簡素化も視野に入れているという。
また、リソース情報の可視化が実現できるようになった今、CPUやメモリ、ディスクなどサーバーのリソースを分析し、リソースの最適化も促進していくという。「今後はAnsibleも活用したく、Zabbixの検知をトリガーとしたタスクの実行を検討する可能性もある」と妙中氏は述べ、さらに進化したシステム環境を目指す姿勢を見せた。
オプテージは、独自の光ファイバーネットワークによる高速・高品質な情報通信サービスに加え、情報と通信が一体となったワンストップソリューションを提供しています。また、お客さまのライフスタイルに合わせて、携帯電話サービスやエネルギーサービスを提供しています。
さらに、今後加速するDXに向け、5G、AIなど最先端の技術を活用し、お客さまの未来の創造にチャレンジしてまいります。
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